真空管アンプ用 昇圧型DC-DCコンバータモジュール基板改造
真空管アンプ用スイッチング電源
MODIFIED DC-DC STEP UP (Boost Converter) POWER SUPPLY for Tube Amp B+ high voltage
6A/150W(100W)昇圧型DC-DCコンバータモジュール基板12~35Vを流用して真空管ミニアンプ用180~250V高圧DC-DCコンバータに改造します。
(150W (100W) DC-DC Boost Converter 10-32V to 12-35V Module)
変換効率は80%程となります。
PWM Controller ICは UC3843AN 使用。
65mm×47mm×27mm(H) 放熱器含む
ヤフオク・AMAZON・eBayで購入可能
(2015.11)
回路図によれば Rt 15k Ct 1nF なので100KHzでのスイッチングしているようです。
改造箇所
分圧抵抗の変更
FET/ダイオード/インダクタ/コンデンサー交換
出力電圧検出ライン/ボリューム中点パターンカット
LED削除
・PWM Controller IC UC3843AN 2番ピンが2.5V比較電圧となりますので、パターンカットして
330K<>1Kボリューム<>3.3Kで分圧しますと180V~250Vの可変範囲となります。
(330kで180~250V ・ 330Kパラで95~125V ・ 390Kで226~296V
の計算値となりますが実際に取れる電流値及び効率に付きましてはテストを行っていません)
・高圧ケミコン : スペース的に10~22μ 400V
・FET : TK10A60D or IRF740 or 高耐圧・低RDS Nch MOS FET(手持ちの2SK3683使用)
・ダイオード : オーバースペックですが形状的にF12C40C(秋月)
(1Aぐらいの高圧ファーストリカバリダイオードならOKです。)
(1JU41(600V1Aファーストリカバリー)
・インダクタ : 220μH 1.3A LHL13NB221K (太陽誘電)(秋月)
(オリジナルコアにポリウレタン線巻でも可能:48回巻きで200μH)
*200V前後の電圧では良好な結果が出ているが、それ以上の電圧では一考を要するようです。
*私の使用環境での障害は有りませんでしたが、分圧抵抗330Kはインダクタからのノイズを避けるためパターンの通り物理的距離を離すよう外周側に沿わせようにした方が良いので、ショートに注意して元の配線上に結線されて下さい。
*10K VR交換せずに1Kパラ付けで200~250Vの可変範囲となります。
-----------------------------------------------------------------------------------------------------
Partu List
TK10A60D or 2SK3683 or IRF740 or N ch Power MOSFET
High voltage Fast Recovery diode 1A or F12C40C(perfect fit(overspec))
200μH (Original core 48T(Polyurethane 0.8~1mmΦ 1500mm)
3.3k 1/8~1/4W
330k 1/8~1/4W
1k Potentiometer or original 10k pot parallel 1k (200-250V ADJ)
10~22μF 400V
*24V to200-250
100μH (original core 32T(Polyurethane 0.8~1mmΦ 1000mm)
-----------------------------------------------------------------------------------------------------
ちょっと寂しい形になりますが、ダイオード側は発熱しませんので、放熱器は外されても問題なく動作します。
LC発信器の発振周波数からインダクタンスを逆算してみました。
一般定格のコンデンサーを使用しましたので、確度は有りませんが目安にはなりそうです。(ルビコンフィルム0.1μF)
参考ページhttp://ednjapan.com/edn/articles/0711/01/news145.html
左:元々のコアに24回巻き:50μH (102.12KHz)
中央:オリジナルトロイダル(7回巻):4μH (349.5KHz) (線材200mm 内径13mm 外径23mm)
右:太陽誘電220μH (50.1KHz) 0.1μFが正確だとすると202μH、220μHが正確だとすると0.092μFとなりますので、大凡の目安としては十分です。
元々のコアに1.0mmポリウレタン線を2000mm切り出し巻いてみました。(1mmは硬いので0.8mmでOK)
内周に合わせ一周で32回、更に外周に合わせ二周で64回、比較的密に巻けました。
64回巻き352μH (37.9KHz) となりました。
32回巻き95μH (72.8KHz) 線材1000mm
32+16=48回巻き198μH (50.6KHz) 線材1500mm
10W電球負荷でDC-DC変換効率測定してみました。
手持ちにアナログテスターとデジタルテスターが有るのだがmAオーダーは同じなのですがAオーダーの誤差が目立ちます。
デジタルテスターの方が悪い値となるので今回はデジタルテスターのみで測定しました。
2SK3683 入力12V出力200V時の変換効率 (負荷:220V10W電球(1個で46~47mA))
元々のコアに1mmポリウレタン線巻 100μH:32回巻 200μH:48回巻 350μH:64回巻
46mA | 93mA | 140mA | ||
100μH (32T) | 78% | 81% | FET発熱 | |
200μH (48T) | 79% | 80% | FET発熱 | |
350μH (64T) | 81% | 79% | FET発熱 | |
220μH 太陽誘電 | 76% | |||
200μH 秋月(トロイダルコア) | 72% | 75% | ||
50μH (24T) | 74% |
余り差のない結果となりましたが、200μHあたりが良いように思われます。
10W電球1個の場合は問題有りませんが2個にした場合FET側放熱器が温まっていきます。
3個の場合は正常に電圧出力は出て電流も3A程ですがすぐにFET側放熱器が発熱し電流が安定しません、強制空冷しても無理そうですから別途放熱器を用意する必要が有りそうです。
RDSオン抵抗 2SK3683:0.28Ω , TK10A60D:0.58Ω , 2SK3234:0.65Ωです。
高負荷の場合は発熱の点で低RDSが有利になるものと思われます。
(2016.02.04)
24V入力200V出力でのテストいたしました。
46mA | 93mA | 140mA | 187mA(200V) | |
100μH | 80% | 86% | 89% | 92%(24.1V 1682mA |
電球4個まで安定して動作しており放熱器にも異常な発熱ありませんでした。
本領発揮か?測り間違えかと思う好結果となり電流を取りたい場合は入力電圧を上げたほうが良いようです。
基板も安価になっているので、一度ノーマル基板で30V程に昇圧し改造基板で高圧にする二枚使いも有りでしょうか。
2.5V REF 分圧抵抗
・6A/100W昇圧型DC-DCコンバーターモジュール基板12-35V
・150W DC-DC Boost Converter 10-32V to 12-35V Module
同じ物のようですがFETの変更により100W >150Wとなったのでしょうか?
150W DC-DC Boost Converter 10-32V to 12-35V
(2016.02.16)
60-97Vの基板も有るようです。
DC-DC Boost Converter 10-32V to 60-97V Step Up Power supply module 100W
Nch MOS FET の RDS(ON) 抵抗比較
型番 | RDS(ON) :Ω | 秋月電子 販売価格 :円 |
TK31N60X | 0.073 | *パッケージ形状異なる 300 |
TK20A60U | 0.165 | 180 |
TK13A60D | 0.33 | 120 |
TK10A60D | 0.58 | 100 |
TK6A65D | 0.95 | 80 |
2SK2698 | 0.35 | *パッケージ形状異なる 150 |
2SK3234 | 0.65 | 200 |
2SK3628(230V) | 0.065 | *パッケージ形状異なる 200 |
2SK3683 | 0.28 | |
IRF644(250V) | 0.28 | |
IRF740 | 0.55 |
何故ON抵抗が気になるかと言いますとオリジナルのFETはSTP75NF75が使用されており、ON抵抗は0.011Ωですから仮に8A流したとしても0.7W程です。(ちょっと良すぎる定格ですが?)
高圧FETでは之ほど低い物は一般的に有りませんから0.5Ωに2A流しただけでも2Wになってしまいます。
つまり、同一の放熱器ではON抵抗が低いほど電流が流せることとなります。
(この基板は100W(150W)ですが高圧をスイッチングする限り、どんなに頑張っても取り出せる電力は低くなる訳です。)
入力電圧を高くすれば同一の放熱器で取り出せる電流容量が高くできるのもスイッチング電流値が下がることの恩恵の一つでは有ります。
(基板も安価になっているので、一度ノーマル基板で30V程に昇圧し改造基板で高圧にする二枚使いも有りでしょうか。)
今回、手持ちで2SK3683(0.28Ω)を使用しましたが、更に低RDSのFETで試してみたい所です。
なお、200V以上の電圧では効率が落ちる気がしなくも有りませんので、実用には一考を要するかもしれません。
ON抵抗を気にするならフライバックやフォワード方式のコンバータの方が低圧FETで済むので有利ですがトランスの一般市販は有りませんので、巻くしか有りません。
もう一つの案は一つのコントロラーで複数の昇圧部をパラで動作させる事ですが、今の所は保留案となります。
(2017.05.30)
フォワード方式コンバータ改造
Forward Converter
12V to 180-200-250V (検討中)
遂にフォワード方式コンバータに挑戦です。
オリジナルコアに150回巻きです。
巻始めれば一時間もかかりませんが正直EEコアボビンに巻いた方が楽なのです。
安価に仕上げるのも目標の一つなので、元々の部品活用で頑張りましょう。
トロイダルコアは巻き数が増えると巻きにくいので、線材を予め穴に通るボビン(プラ板)に4200mm巻取りました。
オリジナルが7回巻きでしたので、7t : 150t で巻いてみました。
元々実装されていたコアに 0.29mm ポリウレタン銅線 150t (4200mm)
密に120t巻けましたので、残りは荒く。
一次側は適当なポリウレタン銅線が無かったので、AWG18の耐熱塩化ビニル線を使用。
(2018.08.30)
下記回路で80%程の効率で昇圧しましたが、何かの拍子で整流ダイオードが不良となる事が有り、不安定要素が有るようです。
トランスからの整流ダイオード1JU41がショート状態で不良となってしまいます。
600V耐圧なので問題なさそうですが試しにUF2010(1000V耐圧)に交換し電球負荷での測定をしていました所、3-4個目での負荷を入り切りしていた時に同様の不良となってしまいました。
220V 10W 電球負荷ですが2個目までは安定して動作していた様にも思え、3個目を接続すると徐々に電流が増える傾向で、4個目まで点灯。
(2018.08.31)
>ダイオードに抵抗とコンデンサで耐サージ回路を追加してみます。
一次側を塩化ビニル線としているために浮遊容量も有り、あまり好ましくないかもしれませんが電球負荷2個までのテストを行いました。
回路的にはスナバー回路をリセット回路に変更してみましたが変換効率は余り変わりません。
なお、現状ではダイオード不良は生じておりません。
電球負荷 220V 10W | 入力電圧 | 入力電流 | 出力電圧 | 出力電流 | 変換効率 |
1 | 12.41V | 913mA | 200.4V | 45mA | 79.6% |
2 | 12.34V | 1834mA | 200.5V | 91mA | 81% |
手持ち部品利用のため、リセット回路に高圧のファーストリカバリーダイオード(1JU41)を使用しておりますが、高圧部では有りませんので、低圧の部品でOKです。
また、チョークコイルに100μH使用しておりますが、もう少し小さな値で良いかと思われます。
モジュール基板はダイオード側放熱器を外し利用しております。
チョークコイルスペース確保のため、出力コンデンサを移設・パターンカット。
(外した放熱器部分のパターンの活用、又は追加基板を立てると良いかもしれません。)
リセット回路追加のため、紫色の線材で7ターン追加巻き。
適当なトランス巻きで効率80%でしたので、悪くは有りませんが、一次側もポリウレタン銅線で巻くのが正解でしょう。
(2018.09.01)